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ポジションに関する忘れてはいけない投資教訓。強靭なメンタルを身につけるには?

時折、歴史は驚きと感動をもたらします。 最近、トランプ大統領が暗殺未遂事件を奇跡的に生き延びたことが話題となりました。 トランプ大統領の持つ強靭なメンタルは、市場に立ち向かっていくべき投資家にとっても必要なものです。 メンタルに関する投資教訓を3つ紹介しましょう。

ポジションに関する忘れてはいけない投資教訓。強靭なメンタルを身につけるには?

お疲れ様です。Zenです。

先日、トランプ大統領の暗殺未遂事件という大事件がありました。なんとトランプ大統領は、1インチの差で、奇跡的にも残忍な暗殺未遂を生き延びました。

彼を狙った銃弾は、頭の1インチ横の耳を傷つけただけだったのです。

「強運の持ち主だ」と騒がれています。この流れをくんで、ビットコイン市場やアメリカ株式市場は、盛り上がりを見せています。

さて、そんなトランプ氏ですが、銃撃の後、果敢にも立ち上がり、「俺は大丈夫だ」と言わんばかりに拳を振り上げています。

なんという強靭なメンタルでしょう!彼からパワーをもらった気がしますね。心から拍手を送りたい。トランプファンになる人たちの気持ちが少しわかりました。

さて、私たち投資家も、強靭なメンタルを持って市場と対峙しないといけません。

そのために役立つ、ポジションに関する投資教訓を三つご紹介しましょう

ただ、その前に。そもそも「ポジション」って、なにさ?

「ポジション」とは、現在自分が保有している株やほかの金融資産の状態のことを言うみたい。

簡単に言えば、「あなたが自分がどの株をどれだけ持っているか」または「どの株をどれだけ売っているか」を表している

ポジションには大きく分けて2つの種類があって、

  1. ロングポジション(買いポジション)
  2. ショートポジション(売りポジション)

もし、あなたが株を買えば「ロングポジションをとった」ことになり、株価が値上がりしたらあなたは儲かります。

株の初心者であっても、株取引したことがある人は、誰もがポジションを持ったことがあります。

投資家なら誰もが知っている「ポジション」ですが、それゆえに数多くの投資名言が生まれたのです。

 教訓を3つ

 ポジションを誰かに言ってはいけない

「どんなポジションを今、自分がとっているか」を自分以外の人に言ってはいけないという教訓があります。

これはDr. Alexander Elder(アレクサンダー・エルダー博士)の言葉です。これは、個人的にも痛いぐらい身に染みています。

精神科医エルダー博士は投資に関するメンタルを科学的に説明©︎elder.com

彼は、精神科医であり、凄腕のトレーダーとしても知られています。心理学的な視点からトレーディングを科学的にアプローチし、トレーダーのメンタル面の重要性に焦点を当てています。

エルダー博士は、トレーダーが持つべき心構えについて多くの洞察を提供していますが、その中で、「(自分が持っている) ポジションを誰かに言ってはいけない」という名言を残しています

これは、他者とトレードのポジションを共有することで心理的影響を受け、 不必要なプレッシャーを感じる可能性があるため、内面の安定と集中力を保つためにも自身のトレードを私密に行うことの重要性を強調したもの です。

想像してみてください。例えば、トヨタの株を買ったとしましょう。それで、知り合いに「トヨタ株を買ったんだ」とあなたは言ったとします。

一ヶ月後、トヨタ株が暴落します。するとその知り合いは、「だいぶ下がっているね?大丈夫?」と言ってくるでしょう。その時点であなたがロング(買い)していたらどうでしょうか?心の内面に影響があるのは間違いないでしょう。

上がっている場合も同じです。売り時と買い時は自分で決める、これはトレードにとって一番大切なことだと思います

エルダー博士の教えは、トレードにおける心理的な側面を深く理解し、自己管理や精神的な強化に重点を置くことで、トレードの成功をサポートすることを目指しています。

その一方で、エルダー博士はトレードを終えた取引を誰かに共有したり、反省点を探すことは推奨しているのは、実に興味深いです。

彼の代表著作として知られる「The Trading for a Living(ザ・トレーディング)」は、邦訳されているので、興味のある人はぜひ手に取ってみましょう。

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 ポジションに恋をしてはいけない

「銘柄に恋をしてはいけない」という投資格言としても知られています。この言葉も、トレーディングにおいて重要な教訓を示唆しています。

恋は人を盲目にするのと同様、銘柄やポジションに恋をするとトレーダーは盲目になってしまいます。

たとえその銘柄を愛してやまないものだとしても、その銘柄の将来性と現在の株価を客観的に判断することが大切です。

投資やトレードでは、感情に左右されず冷静な判断を下すことができないと、退場となってしまうかもしれません。

もしあなたが創業一家一族でもない限り、どこの会社の株も、あなたを儲けさせてくれなければ、意味がありません。

自由に売り買いできるのに、特定の銘柄にこだわるのは、愚かな行為だと言えます。

これまで稼がせてくれた銘柄ではなく、これから稼がせてくれる可能性が高い銘柄を取引しましょう。

恋は人を盲目にする

 ポジションを塩漬けしない

「塩漬け」という言葉を聞きなれない人のために、まずは「株の塩漬け」について説明しましょう。

「塩漬け」という言葉は、比喩的な表現で、元々は食品を長期間保存するために塩に漬ける行為を指します。これを株式投資において使う場合には、次の意味を持ちます:

 株を塩漬けにするとは?

  1. 含み損を抱え込む: 投資した株が値下がりし、その株を売ると損失が発生する状態を「含み損」と言いますが、この状態を続けること。
  2. 売らずに持ち続ける: 含み損が発生している状態で、その株を売ることなく、根拠もなく、株を持ち続けること。

この二つの条件を満たすと、「株の塩漬け」になります。経験はありませんか?

株を漬物にして、コレクションする意味はない

 なぜ人は株を「塩漬け」にするのか?

実は「塩漬け」というものは、おそらく投資をしたことがある人なら、誰もが経験したことがあると思います。それでは、なぜ人は株を塩漬けにしてしまうのでしょうか?

それは二つの理由からです。

  • 未来の値上がりを無駄に期待: 株価が将来的に回復するかもしれないと、根拠のない、自分勝手な期待を持っているから。
  • 間違いを認めたくない、損を確定したくないという迷い: 損失を確定したくない、自分の失敗を認めたくないという弱い心があるから。
間違いを認めて前に進む必要がある

 ポジションを塩漬けにしてはいけない理由

ポジションを塩漬けにすることは、投資やトレードにおいて一般的に望ましくない行動です。ですので、塩漬け株については、一定のリソースを割いて、今後の方針を決める方がいいです。

  1. 損失を放置するリスクがあるから: ポジションを塩漬けにして損失を放置することは、損失が一過性でなく拡大する可能性があるため、資産を守る上で危険です。トレーダーにとって、資産はお金を稼ぐための大切な道具であることを忘れてはいけません。
  2. チャンスを損失する可能性があるから: ポジションを塩漬けにしている間に他の有益な投資機会が現れた場合、資金が閉じ込められることでチャンスを逃すリスクがあります。機会損失を防ぐためにも、ポジションの検証と適切な行動が必要です。
  3. 感情的な取引につながるから: ポジションを塩漬けにしていると、感情的な取引に陥りやすくなります。執着が判断を曇らせ、冷静な意思決定が難しくなるため、トレードの質が低下します。

 最後に

以上、3つの投資の教訓を紹介しました。

どの教訓にも共通して、「状態を客観視できなくなったらダメ」という重要なレッスンを教えてくれています。

そして強靭なメンタルは身につける必要はなくて、メンタルに悪いことをやめましょう、という点も共通して言えると思います

トランプ大統領のような強靭なメンタルはなくても、他者に影響されない、自分のトレードをできるように心がけたいものですね。

私も肝に銘じて精進して参りたいと思います。